東和薬品のOD錠/RACTAB
RACTAB(Rapid and Comfortable Tablets)技術とは、「患者さんにとって飲みやすい」「医療従事者にとって扱いやすい」をコンセプトに東和薬品が独自で開発した、水なしでも飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)の製造技術です。
高齢や合併症などで飲みこむ力が弱くなったり、水分摂取を制限されている患者さんにも、飲みやすいお薬をお届けしたい。
また、外出先などどこでも必要なときに水なしでも飲めるお薬をつくりたい。
そんな想いから誕生しました。
「とけやすさ」と「硬さ」という相反する性質を高いレベルで両立することを目指しています。
こだわりの製剤設計と特徴
崩壊性と硬度。その両立のカギは、すき間にあった。
RACTAB製剤は、速崩壊性粒子と機能性薬物粒子を打錠してつくります。当社が独自に開発した速崩壊性粒子を用いることで、少量の水を加えると錠剤内部にすき間ができ速やかに水が浸透していきます。こうすることで唾液だけで速やかにとけやすいOD錠になります。また機能性薬物粒子には、有効成分の性質に応じて、苦みをマスキング、腸溶性、徐放性などの様々な機能性をもたせることができます。この機能性薬物粒子を、速崩壊性粒子とともに混合することで、様々な機能を有するOD錠に対応することもできます。
代表例アムロジピンOD錠「トーワ」
アムロジピン製剤のOD錠の有用性を考え、独自のOD錠製剤技術「RACTAB技術」により、 先発・代表薬剤のOD錠が上市される前から開発に着手し、2008年7月にアムロジピンOD錠を発売しました。 OD錠に要求される速崩壊性と耐湿性を両立し、有効成分の苦みをマスキング、清涼感のある甘みがあります。
アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」
2012年度 グッドデザイン賞を受賞
医薬品の製剤技術として初めて、RACTAB技術がグッドデザイン賞を受賞しました。 さらに、グッドデザイン特別賞候補として「ベスト100」に選出されました。 OD錠をより飲みやすく、より扱いやすくしたことがおくすりに “やさしさ” をデザインしたとご評価いただけました。
<審査委員の評価ポイント>
・子供からお年寄りまですべての年齢層に対応している
・薬物放出が自在に選択調整できる汎用性の高さ
・広範囲な薬物適用性が高齢化を迎える次世代には特に必要とされる
2010年 日本薬剤学会・旭化成創剤開発技術賞 -「RACTAB技術」の開発 -
旭化成創剤開発技術賞とは、製剤化効率の向上・高品質化とその確保等の製剤化システムやデザインを含めた広義の創剤を範疇とする賞です。2010年にRACTAB技術が受賞しました。患者の皆様のみならず医療現場のニーズにも応えたことが、臨床的に有効性の高い技術だと評価されました。 受賞会場において東和薬品は『高い技術によって業界をリードするジェネリック医薬品メーカー』と紹介されました。